「離乳開始は遅い方が食物アレルギーは発症しにくい」は間違い

2019年7月給食だより

皆さんこんにちは、最近「若いね」って言われるようになりました。

お世辞だとは思っていません。佐久川大です。

給食だよりの内容は乳幼児の食事について話題になった事や給食会議の勉強会で扱った内容をお届けします。

よろしくお願いします。

「離乳開始は遅い方が良い?」

 「授乳・離乳の支援ガイド」が12年ぶりに改訂されました。

主な変更点は食物アレルギーの発症予防に関する内容と母乳栄養の利点等についても見直しを行い、授乳では必要に応じて育児用ミルクを使う等柔軟な育児支援の大切さを打ち出しています。


「食物アレルギーの発症を心配して、離乳の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はない」と明記され、「生後5~6か月頃から離乳を始めるように情報提供を行う」ことを促しています。食物アレルギーのハイリスク児においても医師の管理の下で摂取開始時期を決めていきますが、遅らせることは少なくなってきているようです。

 

食物アレルギーのここ数年の質の高い研究結果から従来の考え方が覆されてきています。

例えば、これまで食物アレルギーは”未熟な腸”が原因だと考えられていましたが、アレルゲンの経口摂取はむしろ免疫寛容(アレルゲンに反応しなくなること)をもたらすこと、食物アレルギーの感作(アレルゲンに過敏に反応すること)の場はアトピー性皮膚炎のような炎症のある皮膚であることがわかってきています。

 

離乳食開始までに皮膚炎をコントロールすることが重要視されています。

 このような結果から、例えば卵黄の摂取開始時期の目安も以前は7~8か月頃でしたが、新しいガイドでは5~6か月頃に変わっています。

(もちろん初めて食べる食品についてはひとさじずつ、様子を見ながら増やしていくことは変わりませんよ)

開始時期を

「アレルギーの心配があるからなんとなく離乳食の開始を遅らせよう」

は間違いのようです。

 

また母乳や育児用ミルクに関しても新たに記載されています。

「6か月間の母乳栄養は、小児期のアレルギー疾患の発症に対する予防効果はない」「完全母乳栄養児と混合栄養児との間に肥満発症に差があるとする証拠はない」

(2007年版までは母乳栄養児の方が肥満になりにくい、と言われてました。)

「授乳の支援に当たっては母乳だけにこだわらず、必要に応じて育児用ミルクを使う等、適切な支援を行うことが必要である」と言及されています。

 

 母乳育児については世界保健機関(WHO)も推奨しており、日本でも啓発する運動が盛んになっています。母乳育児のいい面がある事は事実ですが、様々な理由によりあげたくてもあげられない人もいます。

ミルクを悪者にするのではなく上手に活用しましょうね、という内容です。

また今年3月には乳児用液体ミルクの製造販売が開始されました。

調乳の手間がなく、外出先での利用にかなり便利です。

災害時にも活躍することでしょう。


 私たちは子育についていろいろな選択肢が出来るようになってきています。

離乳食も手作りは負担が大きいと感じれば、市販のベビーフードなども上手に使って負担を少しでも減らせれば皆が喜ぶ子育てができるのではないでしょうか。

 様々な研究結果によって過去の常識がそうじゃなくなることがしばしばあります。

正しい情報を見極める必要が出てきています。

私たち給食係は情報収集を怠らずに皆さんに提供してきたいなーと考えています。

 

また報告しまーす!

www.mhlw.go.jp

 

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保育園給食~カレーエビピラフ~

<4人前程度>
ご飯・・・・・・400g
むきエビ・・・・100g
玉ねぎ・・・・・1/2個
にんじん・・・・1/2本
コーン・・・・・30g
コンソメ・・・・小さじ1
食塩・・・・・・少々
カレー粉・・・・小さじ1
パセリ粉・・・・少々
油(バターでも)・大さじ1

❶玉ねぎ、にんじんは細かいみじん切りにする。

❷冷凍むきエビは解凍しておく

❸フライパンに油を敷いて玉ねぎ、にんじん、エビを入れて炒める。

❹ご飯を入れてほぐしながら炒め、コンソメ、食塩、カレー粉を入れて、均一になるようにフライパンを返す

❺お皿に盛り付けて、パセリ粉を振って完成。

スパイシーな香りが食欲をアップさせます。

*うっちん粉を入れるともっときれいな黄色になります。